Vocaloid China活動終了の経緯と、今後の中国ボカロ展開について 【洛天依・言和】

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先月Vocaloid Chinaの活動終了がアナウンスされたため、中国ボカロファンから今後の活動への影響を心配する声がチラホラ出ていたところ、現在中国ボカロを展開している上海禾念の社長から今回の経緯の説明がありました。
※「Vocaloid China」というのは中国での販売活動名称。簡単に言えばショップの名前です。



▼とりあえずいきなりだと分かり難いと思うので、私が認識している今までの中国ボカロ展開の経緯を書いておきます
2012年7月頃 Vocaloid China発足当初(洛天依発売時)
  ・日本企業のビープラッツが初の中国語歌声ライブラリ・洛天依を開発(洛天依は「Made in Japan」)
  ・現地販売は中国企業の上海禾念が担当
  ・現地での販売活動はYAMAHAから許諾を受けた「Vocaloid China」の名称で行われていた
  ビープラッツ VOCALOID™史上初 中国語の歌声ライブラリ『VOCALOID™3 Library 洛天依』を 中国及び台湾で販売開始
2013年7月頃 言和発売時
  ・中国企業のMERCURY SHANGHAIが中国語歌声ライブラリ第二段となる言和を開発
  ・この時点で「MERCURY×Vocaloid China」といった表記が使われるようになり、Vocaloid Chinaは
   あくまで協賛というかたちになる
  ・上海禾念が今まで行っていた販促活動(大学でのデモなど)を「Vocanese」という名称で行うようになる
  ・言和の発売以降はVocaloid Chinaの公式サイトが徐々に縮小傾向となる
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2014年1月以降 Vocaloid China廃止発表後
  ・中国ボカロ販売ショップの名称から「Vocaloid China」の文字が消え、「Vocanese」のショップとなる
  ・Vocaloid Chinaの公式サイトが完全に「Vocanese」に置き換わる
  ビープラッツ VOCALOID™ CHINAの統廃合について
そんなわけで、そういった経緯と今後の展開について、昨日「上海禾念」社長からの説明が中国のテレビチャンネル「炫动卡通」で放送されていたのでちょっと見てみました。
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こちらが現在中国ボカロを展開している企業「上海禾念」の任力社長。
▼任力社長が語っていた今回の経緯(のかなり大雑把な訳)
VocaloidはYAMAHAのブランド。
Vocaloid ChinaもまたYAMAHAのブランド。
Vocaloid China ProjectはVocaloid Chinaから派生して出来たもの。
この3つのブランドは全てVocaloidの派生ブランドであり、法律上では全てYAMAHAのブランドということになる。

我々は当初経験が不足していたため、ビープラッツとYAMAHAからの多大なる助力を得ることでこの事業を推し進めることが出来ました。その後、転換期として正真正銘の我々中国独自の中国語ボーカロイドとなる「言和」を作り出しました。そしてそこから非常に長く、多くの意見交換をYAMAHAと行い、この技術とVocaloid文化を中国で根付かせるため活動を始めています。
Vocaloid China(の微博アカウント)に四万人のフォロワーがいるため心苦しいのですが、Vocaloid ChinaはYAMAHAのブランドであるため、我々の事業ではこのブランドを使用しないことにしました。今後はVocaneseが今までのVocaloid Chinaに該当する名称となり、我々自身の中国ボーカロイド市場を作っていきます。

Vocaloid Chinaの活動終了というのは、上海禾念はこの名称を使用しないことを決めたため、不要になった名称が廃止されただけみたいですね。
▼今後のVocanese展開について
現在のネット環境の発展により、我々は顔を合わせずとも、ある人は詩を作り、ある人は曲を作り、PVを作るといった活動で一つの作品を作り上げることが可能となりました。しかし、我々はこの2年間活動し、市場の動向を見守ってきましたが、その市場はまだまだまばらなものとなっています。我々は創作者に対して作品を展示するプラットフォームが必要だと考えているため、Vocaneseを創作者たちのためのプラットフォームにしていくつもりです。
なるほど、Vocaneseのサイトは以前のVocaloid Chinaとは構成がガラっと変わって、ボカロ作品紹介がメインになっていたのはそういう理由だったんですね。
Vocanese公式サイト
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Vocaneseの公式サイトはトップに「鶏丁jazz」が出てくるので大変素晴らしい。
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個人的に今後の扱いが一番気になっていたのは初期キャラクターの4人「墨 清弦」「徵羽 摩柯」「乐正 绫」「乐正 龙牙」なのですが、どうもこれらのキャラクターについても既にVocaneseが権利を取得しているとのことです。
※版権を取得する予定だそうです。
そんなわけで、大雑把に言ってしまえば名前が「Vocaloid China」から「Vocanese」なっただけなので、中国ボカロの活動には何の影響もありませんということのようですね。

(ここで私のiPadを見てみましょう的なおまけ)
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_| ̄| . … ○ コロコロコロ

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11 件のコメント

  • ボーカロイドという言葉が「音声合成技術(とそのキャラ)」と「YAMAHAの登録商標」の2つの意味で使われてますね
    厳密な立場を取るならば、YAMAHAの商標を完全に離れたならばそれはもうVOCALOIDとは呼ばないのですが・・・
    言葉上はもう「ボカロ活動」でもなんでもないという話になるんですが、そこは誰も気にしないのかしら

  • >YAMAHAの商標を完全に離れたならばそれはもうVOCALOIDとは呼ばないのですが・・・
    商標の話は私には難しくてよくわかりませんが、今回の件は歌声合成技術などの「VOCALOID」ではなく、「VOCALOID CHINA」という現地販売活動に対して使用されていた名称を廃止したという話なので、YAMAHAと完全に関係が無くなるわけでは無いのではないかなぁと思います。。
    今後もYAMAHAから「VOCALOID」に関するライセンス供与を受けつつ、独自の歌声ライブラリの開発と販売を行っていくのではないでしょうか。

  • >YAMAHAと完全に関係が無くなるわけでは無いのではないかなぁと思います。。
    >今後もYAMAHAから「VOCALOID」に関するライセンス供与を受けつつ、独自の歌声ライブラリの開発と販売を行っていくのではないでしょうか。
    いいえそうは思えません。
    通常、企業のプレスリリースで権利元から何らかの権利(キャラクターの版権等)を「買い取ることで合意した」と発表することはあっても、「今後買い取る予定である」と発表することはまずありません。
    また、YAMAHAの1/31付けプレスリリース「VOCALOID CHINA活動終了のお知らせ」の中でVOCALOID CHINAに代わって展開する名称であるはずのVOCANESEに何の言及もないという事は、YAMAHAの同意は得ていないと見るのが正解でしょう。
    つまりこれは上海禾念の一方的な「版権買い取り・活動継続」宣言で、YAMAHA側とは何の合意も出来ていないという事になります。
    日本の商標であるVOCALOIDという名称を使いたくない、YAMAHAにライセンス料を払いたくない等様々な理由が考えられますが、上海禾念が一方的に独立を宣言しYAMAHAを裏切ったと見るのが妥当です。
    とはいえ、裏切った後どうするのか何も考えてなさそうなのがなんとも・・・。

  • なかなか難しいですね。
    まぁ経緯から見ても、社長の話しづらそうな口ぶりからしてもすんなりいった話ではないでしょうね。
    「VOCALOID」については、ライセンス契約がなければ上海禾念が販売するソフトは海賊版ということになってしまうので、このライセンス契約自体を切ることはないのではないかと思います。中国のユーザー(ボカロP)も最近は著作権意識が高いので、海賊版ということになればかなり叩かれますし。
    私もVocaloid China撤退後の「言和」の扱いは気になっていたのですが、現在もYAMAHAのサイトで紹介されていますし、VocaneseショップでもVOCALOIDとして販売されています。上海禾念の社長も「VOCALOIDの文化と市場を発展させるため」と答えているので、まぁVOCALOIDということには変わりはないんじゃないかなぁと思っています。

  • >中華開発ソフトに鞍替えしますってことかな?
    >これからの商品はヤマハとは関係ない独自技術って言い張るのだろうなぁ。
    いえいえ、これからもVOCALOIDとして販売されていくのでそういうわけではありませんよ。あくまでも今回の件は活動名称・ショップ名が変更になっただけです。
    実際に現在もVOCANESEはYAMAHAの商品としてVOCALOID3エディターを取り扱っていますし、近日にはVOCALOID3教本なんかも販売される予定です。
    http://item.taobao.com/item.htm?id=15472256229
    個人的には、どちらかというと上海禾念側はVOCALOIDの名前を使いたかったけど、YAMAHAから許可されなかったんじゃないかなぁと思っています。ネームバリューが段違いですからね

  • YAMAHAにおけるVOCALOIDの商標は、VOCALOIDの普及・販売のために使うもので、Cryptonのピアプロのようなことには使わないよってことなんじゃないかな。
    上海禾念はVOCALOID製品の販売だけでなく、SNSのような事業に広げたかっただろうから、bplatsやYAMAHAとの意見が不一致になり、任力さんがMBOをして完全独立したのでしょう。
    委託販売契約の過程で便宜を受けて使用していたであろう、VOCALOID CHINAはYAMAHAの方針と違うから使用できず、独自のブランドVocaneseを立ち上げたと。
    bplatsに
    | ・引き続き、弊社含め各社による中国語版VOCALOIDの開発・販売は継続されます。
    とあるから、上海禾念も条件があえば取り扱うでしょうし、新しいVOCALOID音声ライブラリの開発もするでしょう。
    また、独自ブランドなんだから、ノウハウをいかしてUTAUのような別の音声合成技術を取り扱うこともあるでしょう。
    版権は取得できるかどうかは分からんね。倒産しない限りホイホイ売るようなものじゃないし。

  • やはりコントロールが効かない企業にVOCALOIDの看板で活動されるのは色々と不安や不都合があるでしょうから、YAMAHAの立場としてはまぁ仕方ないことだとは思いますね。
    上海禾念はサイトの作りなんかを見てもちょっと甘さを感じるところがあって既に不安です・・・。

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