中国の日本式作画アニメスタジオ「上海震雷」スタジオ紹介動画

中国の日本式作画アニメスタジオとしてはトップクラスの実力と実績を持つ「上海震雷」のスタジオ紹介動画が公開されていたのでちょっとメモ書き。
ここまで詳細に中国アニメスタジオを紹介している動画は結構珍しいです。

▼「上海震雷」スタジオ紹介動画

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とりあえず冒頭は日本のアニメの発展の歴史をざっと紹介。
東映白蛇伝の少青はやはり可愛い

 

上海震雷は同じく上海のアニメスタジオ「七灵石(セブンストーン)」から独立するかたちで2014年12月31日に設立されたアニメスタジオ。

▼七灵石(セブンストーン)については日本語wikiにも項目があったのでそちら参照で
wikipedia セブンストーン

▼上海震雷の独立経緯は過去記事に少し書いています

もはや伝説の中国BLアニメ「弦月夢影」がようやく制作再開!・・・というか七霊石は解散!?

結局七灵石も解散はせずに今でも業務継続しています。

ちなみにこの紹介動画では触れられていませんが、「震雷」という名前はスタジオ名を決める時に所属しているアニメーターの名前をいくつか役所に提出し、通った名称をそのまま付けたという割と適当な感じで決められたようです(笑)
※上海震雷には「程震雷」というアニメーターの方が所属しています

 

七灵石も震雷も主な業務内容は日本アニメの下請け制作で、日本式のアニメ制作を得意とするスタジオです。
七灵石時代の実績も含まれていますが、「進撃の巨人」や「NARUTO」「のんのんびより」などの制作にも参加しており、日本のスタジオからの信頼もかなり厚い感じですね。

最近だと「将国のアルタイル」の制作に結構関わっているみたい

 

これも七灵石時代の実績も含まれるのですが、国内アニメ需要の拡大にともなってVocaloid China Projectの洛天依アニメや、中国ゲームアニメ、テンセント系アニメなどの制作も行っています。

そんな上海震雷の作画スタジオの様子。
ちょっと記事の後半で他の中国アニメスタジオの様子もいくつか紹介しておきますが、他のスタジオと比べてもやはり日本のアニメスタジオに近い雰囲気があります。そもそも他の中国スタジオはデジタル作画が多いんじゃないかと思います。

なんと上海震雷ではスタジオで「T光」という猫を飼っているらしい。
原画とか紙ですが大丈夫なんだろうか・・・。

原画担当の邹雪晴さん。震雷設立当初には動画としてクレジットされていましたが、現在は原画担当なんですね。
時間があるときには作画の参考資料でかかさず作画学習をしているそうです。

そしてアベノ橋

進撃の巨人の仕事もしているので、キャラクター設定の資料や、アニメ用語の日本語・中国語対応表なども貼られていますね。

制作進行のAKIさん。
多くの中国のアニメスタジオはスケジュールゆるゆるなんで制作進行なんて仕事自体が無いんじゃないかと思いますが、そこは日本式の制作スタイルな上海震雷。

ちなみに机に置かれているフィギュアは「雛蜂」のものですが、「雛蜂」は現在上海震雷がリメイク版を制作中とのことです。

美術監督の林順道さん。台湾出身で以前は広告向けのアニメを制作していたそうです。
上海震雷には様々なところから人材が集まっているみたいですね。

上海震雷には専門的な知識や経験が豊富に蓄積されていて、自分たちのオリジナル作品の企画もあるのでやりがいを感じているようです。

撮影担当の路人摄影Aさん。以前は成都でプログラマーをしていたようです。
恐らく中国ではプログラマーのほうが給料いいんじゃないかと思いますが、インタビュアーも不思議に思ってどうしてアニメ業界に転職したのかと聞いたところ「好きだから」だそうです。
ふむふむ、中国ではゲーム業界のほうが遥かに給与が高いのでお金が欲しい人はみんなゲーム業界を目指し、わざわざアニメ業界に入るのは本当にアニメ好きな人ばかりなんだよという話は以前も聞いたことがあるような気がします。

ちなみに画面に映っているのは「迷域行者」ですね。
「迷域行者」はだいぶ予定よりも公開が遅れていますが、一応間もなく公開されるとのことです。

▼過去関連記事

上海震雷動画による孤島サバイバルアニメ 「迷域行者」PV公開

 

日本語の注釈が入った絵コンテ。
てっきり日本から送られてきた絵コンテだから日本語なのかと思いきや、これは韓国のスタジオとやり取りするための絵コンテだそうです。
なんと日中韓ではアニメ業界の共通言語として日本語が用いられているのだとか。そうなのかー

3DCG担当の金智敏さん。
上海震雷は下請け制作では主に2D作画業務のみなのだと思いますが、自社作品を制作するにあたってはやはり3DCGで映像を補う部分があるので3DCGのスタッフもいるようです。
特にリメイク版の「雛蜂」では3DCGが多用されるようです。

 

そんな上海震雷のお仕事現場紹介動画でした。
また「迷域行者」と「雛蜂」の公開を楽しみにしておきます。

 

あとは折角なので他の中国アニメスタジオの様子を少し紹介しておきます。

▼重庆彩色铅笔动画


来自:weibo @彩色铅笔动画

視美動画から原画スタッフ数人が独立して設立したスタジオです。おしゃれ感があります。

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▼铅元素动画


来自:weibo @铅元素动画

彩色铅笔动画からさらに独立したスタッフが設立したスタジオ。
独立してからもの凄い勢いで大きくなって、スタジオもかなり広いところに引っ越してます。

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▼娃娃鱼动画工作室

アニメ「黒白无双」を手掛けたことで中国アニメ業界から大きな信頼を得た娃娃鱼动画工作室。
現在はスタッフも大幅に拡充して次々に新たな作品を作っています。

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▼海岸线动画

海岸线动画は中国のフル3DCGアニメ「纳米核心 NANOCORE」を制作しているスタジオ。
3DCGスタジオなので、当然PCばかりですね。
当初はマンションの一室から始まったこのスタジオもこんなに大きくなりました。

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▼烤鸡鸡动漫


来自:weibo @烤鸡鸡动漫

お馴染み鬼畜監督のアニメスタジオ。若干アットホーム感があるスタジオですね。

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▼绿怪研

「武塾」が日本でも話題になった熱いアニメオタクたちが集うスタジオ。
緑のシャツを着ている人が绿怪研の核心的スタッフである光学核心さんです。

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