中国の若い世代(80~90年代生まれ)の人たちの子供時代を描いたショートアニメ「阿布要长大(ā bù yào zhǎngdà/アーブゥヤオチャンダー)=大きくなりたい阿布」
拜见女皇陛下OPに出てくる赤いスカーフ(紅領巾)でちょっとこの作品を思い出しました。
動画はこのあたりで
爱奇艺の「阿布要长大」配信サイト
切り紙風のアニメ作品で、すっきりとした映像が爽やかな感じです。
キャラクターもなかなか可愛い。
早く大人になりたいと思っている、主人公の少年「阿布(ā bù/アーブゥ)」。
クラス班長(学級委員長)の「露露(lù lù/ルゥルゥ)」。
口癖は「给你们告老师!=あんたたち先生に言いつけてやるんだから!」
80、90年代(いわゆる80后、90后)の子供時代の生活を描いた作品で、これからの中国(アニメ)を担っていく若い中国の人たちがどのような子供時代を過ごしていたのか、ということが少し見えてくる興味深い作品です。
とりあえず中国の子供のシンボルとしてこの作品でも紹介されているのがこれ
红领巾(ホンリンジン)
中国の良い子がみんな身につけている赤いスカーフです。
この赤いスカーフの意味はこの作品で初めて知ったのですが、どうも国を守る為に戦った兵士が流した血で染まった中国国旗の一片という意味が込められているようです。
愛国の証ということなのでしょうね。
紅領巾の詳細や巻き方、敬礼についてはこちらが詳しいです
東方愉快 中国の子供:紅領巾(ホンリンジン)
紅領巾の正しい身につけ方と敬礼の姿勢
そういうわけで、よい子は左手で敬礼してはいけません。(拜见女皇陛下OPより)
紅領巾をナックルバンテージにするなんてもってのほかです。(拜见女皇陛下OPより)
ゲームといえばファミコンで魂斗羅(コントラ)、グラディウス、スーパーマリオ
变形金刚というのはトランスフォーマーのことのようです。
そして聖闘士星矢
娯楽としての日本文化の影響がとても大きなものだったというのが見えてきますし、この作品以外でも子供時代の楽しかった思い出として日本のゲームやアニメを挙げている様子はいたるところで目にします。
以前も少し書きましたが、特に聖闘士星矢の中国のアニメ界隈での影響は凄まじいものを感じます
「十万个冷笑话 第五話 福禄篇二」 中国のショートギャグアニメ
中国のアニメ作品を理解するためには、こういった背景を知っておくとより良いのかもしれません。
【以下ややネタバレ】
“阿”を隠すと「布要长大(ブゥヤオチャンダー)→不要长大(ブゥヤオチャンダー)=大きくなんてなるな」
映画『グッバイ・レーニン』を見てから『拜见女皇陛下OP』を見ていて、出てくる子が全員赤いスカーフをつけているのに違和感を感じました。
旧東ドイツや旧ソ連のピオネール(ロシア語のも文字が違うだけで、pioneerで英語のパイオニアと同じです)は、クラスの成績優秀者とか功績がある子だけ(だから2~3人)だったはずなんですが。最初は共産党幹部の子や地元の偉いさんの子ばっかりのクラスかなと思ったんですが。
と、ネットで見ると。「学校に対し、どの父兄もどの子が赤いスカーフをつけているか?を気にして、我が子に赤いスカーフを、と望む」ので、現代では普通に付けているとの事。
普通の事だったんです
そうなんですよね、私も最初は優秀な子だけが身に着けるものだと思っていたのですが、現代ではみんなが身に着けているみたいですね。