中国で「名探偵コナン」と「ワンピース」が配信規制対象になったという話は本当? 少し調べてみた

bw29.jpg
未だに「名探偵コナン」と「ワンピース」が中国で配信規制対象になったことが事実かのように広まっているようですが、それは本当でしょうか?誤解が広まっているのだとしたら日本のアニメ企業にとってもいい迷惑かと思いますので、この話の出所と経緯を少しメモっておきます。



▼過去関連記事
ついに中国動画配信サイト上の日本アニメ規制が始まったようです
先月から中国で日本アニメの規制が強化されているのは文化部(中国政府機関)も正式に公表している事実ですが、この時点でCCTV(中国国営放送)などが報道した規制対象チェックリストなどには「名探偵コナン」や「ワンピース」は含まれていません。
それが最近になって「名探偵コナン」と「ワンピース」も規制リストに入って配信停止になるという話が日本で出てきたのは、こちらの新華ニュースさんの記事が各所に転載されて広まったものかと思います。
新華ニュース 中国文化部:日本アニメの規制強化、ワンピース、名探偵コナンが配信停止へ

多くのネットユーザーがほっとした中、4月29日に新たな規制リストの中に大人気アニメである「ワンピース」と「名探偵コナン」が入っていることがわかった。

これを読むと4月29日に新たに「ワンピース」と「名探偵コナン」が規制リストに入ったことが公な事実かのように感じてしまいますが、実際に中国ネット上からどういう経緯でこの話が出てきたのか順に追ってみようかと思います。
とりあえず新華ニュースさんの記事は中国ニュースサイト記事の翻訳のようなので、まずは元の記事を探してみます。
▼同じ内容の記事は中国でも大量に出回ってますが、一番広まっているのはたぶんこれ
環球時報 文化部日漫整顿升级:海贼、柯南确认下架

正当不少网友送了一口气的时候,就在昨日(4月29日)新的下架名单中我们看到了两个重量级的角色,那就是《海贼王》和《名侦探柯南》!

内容は同じで、4月29日に新たに「ワンピース」と「名探偵コナン」が規制リストに入ったことが書かれています。
ちなみに環球時報は中国の政府機関紙なので信憑性があると思われるかもしれませんが、実はこの記事は環球時報が直接書いたものではなく他のニュースサイトからの丸ごと転載記事です。
▼転載元記事へのリンクがある
bw30.jpg
▼そんなわけで転載元記事
快科技 文化部日漫整顿升级:海贼、柯南确认下架
▼この快科技の記事には更に転載元があります
bw31.jpg
▼転載元の転載元記事
游迅网 文化部整治暴恐动漫升级 《柯南》《海贼王》确定下架!
というわけで、実際にこの記事を書いたのは游迅网というニュースサイトのようですが・・・。
▼その情報ソースについてはさらに出所が書かれています
bw32.jpg
情報源になっている「和邪社」というのは中国のアニメ関連情報ブログで、私も普段からよく見ているブログです。
そんなわけで、どうも今回の話の情報源になったのはこの和邪社関係者の微博のようです。
▼4/29 和邪社関係者の該当微博
bw33.jpg
リンク先の和邪社ブログ記事はすでに取り下げられているのですが、書かれていた内容は
「杭州で動画配信サイト関係者に同行していたのですが、まさか新しい規制対象リストにワンピースと名探偵コナンが追加されているとは思いませんでした。リストは配布されたばかりでまだ動画は削除はされてないようですが、そのうち正式発表があるはずです。」
といった内容のもので、微博の告知とほぼ同じです。
つまり今回話題になっている「ワンピース」と「名探偵コナン」が含まれている規制対象リストというのは、公に発表された事実ではなく、たった1人のブロガーが個人的に見かけた(聞いた?)という話が情報ソースになっているという、そもそものところがかなり微妙なネタのようです。
そしてこの話はすでに大手動画配信サイトやCCTV(国営テレビ局)から「複数の動画配信サイトにも確認しましたがその様なリストはどこも受け取っていません。これはデマです」と否定されています。
▼大手動画配信サイト・テンセントの否定微博
bw34.jpg
来自:http://www.weibo.com/5203786516/CfJeKcYZk
▼CCTVアニメチャンネルの否定微博
bw35.jpg
来自:http://www.weibo.com/1712312484/CfMkf856c
そんなわけで、実は日本にも転載されて広まった游迅网の元記事では、既にこの話がデマであったことについてきちんと追記がされているんですよね。
bw37.jpg
まぁCCTVアニメチャンネルも注意書きしているように、今後実際に政府から規制される可能性が無いわけではないのですが、とりあえず今回の件は公的に発表された事実などではないようです。公な発表であれば大手動画サイトやCCTVは否定しようがないですからね。
いやはや。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。